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Gekkan Dennou Club 147
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Gekkan Dennou Club - 2000.8 Vol. 147 (Japan).7z
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Gekkan Dennou Club - 2000.8 Vol. 147 (Japan) (Track 1).bin
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Text File
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2000-07-11
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4KB
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110 lines
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
%V%Wまったくあてにならない
%V%W「非」実践的ゲーム制作講座 第3撃
あいはら てつや
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
%V%W必勝パターンでGO!
ここいらで、先ほどの必勝パターンの疑問について考えてみよう。
勝ちパターンというのは、どんなゲームでもある程度は避けられないものだ。
定石というのは古来のゲームからあったもので、どんなに厳密にルールを設定し
てもそれを越えるプレイヤーが現れてくる。将棋やリバーシでもそうだし、ビデ
オゲームでいえば、ポピュラスの例を出せば、よくそのゲームを知り尽くしてい
るはずの開発者に勝つことすらできる。シューティングなどでは、一時期、安全
地帯探しが攻略の要になった事もある。ゲーム以外でも、サッカーなどのスポー
ツでも、いかに相手の勝ちパターンを防ぐかというのが日夜研究されている。
さて、パターンが作られてしまうのは、未然には防ぎようが無いことだとして
も、ゲームには可能な限り複雑性を持たせる必要はあるだろう。
どういう形で、どの程度持たせるのかは、プログラム次第ということになって
しまうが、常に考慮に入れられていなければ、忘れ去られる要素でもある。特に
対戦であるとか、シミュレーションではこの要素の善し悪しがゲームのおもしろ
さをかなり左右している。また、複雑なものはデバッグが大変になってくるとい
う意味で、避けられやすい。がここを避けておもしろいモノをつくるのは、カレ
ーを作るのに肉も野菜もいれずルウだけ、というようなものだ。カレーの味はす
るけれど、うまみはなにもない。
ここで言っているのは、敵の攻撃が完全にランダムであるとか、判定をおもい
きりたくさん計算しろというのではない。たとえば、マインスイーパを考えよう。
ゲームとしては地雷があるかないか、を実際に踏んでいきながら、地雷のないパ
ネルを全て開けるのが目的だ。いたってシンプル。地雷は毎回ランダムに配置さ
れる。ここで、地雷に関する情報が全くなければ、位置を特定できない。だから、
パネルを開けたときには、いろいろな情報をプレイヤーに伝えるような仕組みを
そなえている。で、それを参考にしながら、地雷の位置を素早く特定して行くわ
けだ。タイムカウントもあって、如何に早くクリアするか、といった要素がフィ
ーチャーされている。
パネルを開けると、周囲の地雷のない隣接パネルも、オープンする。が、周囲
8パネルのうちどこかに地雷があるという情報を持ったパネルが開いたところで、
再帰検索を打ち切り、ストップする。ここからは、プレイヤーの推理力というか、
パターン認識力で地雷のないパネルをさらに開けていかなければならない。この
数字の類推によって、だいたいの地雷の位置は特定できる。慣れるまでは、結構
まごつくが、慣れたらどんどんスピードが上がっていく。でも、最後は勘に頼ら
ざるを得ない場面も出てくる。
ざっと説明するとこんな感じになるが、数値のヒントも、パネル配置によって
たくさんのケースがあり、それを識別するというのもまた複雑性である。また、
慣れるに従ってクリアする時間も短くなってくる。タイムアタック性が出てくる
がこれもまた、ゲームを複雑にするルールだ。もちろん、初めてやるプレイヤー
は時間なんて全然認識されていないのだが、何度もやる内に、プレイヤー自身が
それをゲームのルールとして認識するようになる。また、いくら早く解けるよう
になっても、最後の1枚は、類推不可能なパターンになる事がある。これもラン
ダムといえばランダムなのだが、別のルール「いちかばちか」を含み完全な必勝
パターンを排除している。
このように見ていくと、単純きわまりないマインスイーパも、ゲームとして非
常に行き届いた複雑な仕組み、複雑なルールをもっている、と言えるだろう。
あ、ちょっと休憩してやろうかな。(この章:未完)
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(EOF)